弁護士の年収はどれくらい?大まかな相場をチェック!
公開日:2023/04/15 最終更新日:2023/02/22
高収入を得るために弁護士を目指す人は多くいると思いますが、実際に弁護士の年収はどのくらいなのでしょうか。弁護士といっても、男女の違いや経験年数の違いもあるため、みんな同じ年収とはなりません。そこで今回は、弁護士の年収相場や弁護士の収入が減少傾向にある理由、弁護士が年収を上げる方法を解説します。
弁護士の年収相場
日本弁護士連合会が2020年に実施した調査では、2020年の平均年収は2,558万円で、中央値は1,437万円でした。これは月給に換算すると月213.1~1119万円の収入ということです。過去の平均年収では、2006年が3,620万円、2008年が3,389万円、2010年が3,304万円、2014年が2,402万円、2018年が2,142万円、2020年が2,558万円でした。このことから2020年には上昇したことが分かりますが、平均年収は年々減少傾向にあります。
弁護士の男女での年収の違い
厚生労働省は平成30年に、法律事務所または企業に所属している弁護士の平均年収の調査をしています。調査によると、弁護士全体の平均年収では1,256万円で、男性弁護士の平均年収が1,595万円、女性弁護士の平均年収は733万円でした。独立して法律事務所を経営している場合は調査結果に含まれていないとはいえ、男女で年収に大きな差があることが分かります。しかし、ハラスメント問題や離婚問題などは同性のほうが相談しやすいため、女性弁護士の需要は高いといえるでしょう。
弁護士の経験年数による年収の違い
日本弁護士連合会が2020年に実施した調査では、経験年数5年未満の弁護士の平均年収が735万円で中央値が600万円でした。経験年数が5~10年になると平均年収が1,550万円となり、5年未満と比べると2倍以上年収が上がっていることが分かります。その後は、10~15年で2,237万円、15~20年で2,962万円、20~25年で3,469万円、25~30年で4,699万円と経験年数を重ねるほど、平均年収もどんどん上がる傾向にあります。
弁護士の収入が減少傾向にある理由
近年、弁護士の収入が減少傾向にありますが、背景にはどのようなことがあるのでしょうか。ここでは、弁護士の収入が減少傾向にある理由を解説します。
弁護士の増加
独立した弁護士には、定年退職というものがありません。そのため、毎年弁護士になる人が増えても、辞める弁護士が少ないことから弁護士の数は年々増加しています。また、法律事務所や企業に勤務していた弁護士は、30代になると独立して開業する弁護士が多いことも、定年退職する弁護士が少ない要因のひとつです。その結果、弁護士は増加していても、弁護士の需要は高くなっていないため、弁護士それぞれの受任が減少し収入減になっています。
訴訟件数の減少
弁護士の収入が減少傾向にあるのは、訴訟件数の減少も理由のひとつです。とくに減っているものは過払い金の請求で、2011年頃から大きく減少しています。今でも過払い金の請求はCMなどで見かけることもありますが、2010年頃がピークで現在では時効が成立したことが減少した要因です。そのため、過払い金の請求で収入を得ていた弁護士は、違う分野を開拓しなければならなくなり、案件の奪い合いで受任できない弁護士の収入は減少傾向にあります。
弁護士が年収を上げる方法
弁護士で年収が低いと悩んでいる人は、どのようにして年収を上げればよいのでしょうか。ここでは、弁護士が年収を上げる方法を解説します。
大手の法律事務所へ転職する
同じ弁護士でも大手の弁護士事務所へ転職することで、年収を上げることが可能です。大手の法律事務所では、1年目から年収1,000万円以上見込めて、経験年数を重ねるにつれ高収入になります。ただし、高学歴の弁護士が集まっている大手の法律事務所への転職は、ハードルが高く、専門性の高い経験や知識がなければ難しいでしょう。
個人で案件を受任する
個人で案件を受任することが可能な事務所であれば、法律ポータルサイトなどを利用して、個人で案件を受任すれば年収を上げられます。事務所での業務と並行しながら、個人で案件を受ける行動をしなければならないため、大変な作業となりますが年収が上がることは間違いありません。
独立する
独立して開業することで、年収を大幅に上げることが可能です。ただし、前述しましたが30代で独立して開業する弁護士は多く、現状は案件を奪い合っている状態なので、受任し続けられることが条件です。成功するためには、専門分野に特化しているという強みが必要ですし、集客するためのマーケティングも考えなければなりません。
弁護士の年収相場は、2020年の平均年収が2,558万円で中央値が1,437万円です。男女で比べると男性が1,595万円で、女性が733万円と大きな差があります。経験年数では、5年未満が735万円ですが、25~30年になると4,699万円という高収入です。弁護士の年収は年々減少傾向にありますが、理由として弁護士の増加と訴訟件数の減少が挙げられます。弁護士が年収を上げる方法は、大手の法律事務所へ転職すること、個人で案件を受任すること、独立することです。